ダシール・ハメット 『マルタの鷹』読書会

書籍在庫検索アプリ「Takestock」を使ってみた - 蟹亭奇譚 の続き。


 12月4日、ogikubo velvetsun で行われた読書会 『杉江松恋の、読んでから来い!』第2回 『マルタの鷹』に参加してきました。
 ダシール・ハメットは好きだし、読書会というのも面白そうだし、なんとなく参加してしまったのですが、「事前にA41枚のレジュメを提出せよ」とのお達し。
 どうしよう。レジュメなんて何書いていいのかわからないよー。……というわけで、以下のような『マルタの鷹』に関連する俳句を作って、レジュメ代わりにして提出してみました。


冬の夜にマルタの鷹を読みにけり
寒風や赤き巻毛の依頼人
霜の夜に電話(ベル)は殺しの報せかな
探偵の死を告げにけり初時雨
相棒の身はしらぬひの冬霞*1
降る雪や寡婦に疑はれしことも
懐に拳銃入れて冬ざるる
幾たびも拳銃向くる懐炉かな
船長の腕(かいな)に抱きし鷹黒き
寒月や殺しは全て鷹がため


 小説の中には季節を特定する描写はないのですが、コートや毛皮が出てくるし、全体に寒々しい雰囲気だし、ということで、冬の季語に統一することに決定。有季定型ハードボイルド俳句をでっち上げたわけです。
 読書会の席では一部の方から好評をいただきましたが、俳句とは全く関係のない分野(ミステリというより海外文学、翻訳が好き!という方が多かったようです)の方々の前で俳句を披露するのは、句会とはまた違った意味での緊張感があるものですね。正直かなり恥ずかしかったです。もちろん、読書会はすごく楽しかったですよ。
 ところで、冒頭の mie shirasaka さんのツイートに書かれている「サプライズな連動企画」ですが、なんと来年1月某所で行われるイベントに、『マルタの鷹』の翻訳者、小鷹信光さんをお招きし、今回のレジュメを見せるとのこと。
 ちょwwwwwそんなの聞いてないよー!!!
 一体どうなることやら。続きをおたのしみに!


マルタの鷹〔改訳決定版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

マルタの鷹〔改訳決定版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

*1:小林一茶「いつ逢(あは)ん身はしらぬひの遠がすみ」の本歌取りです。