カラヤン/マーラー 『交響曲第9番』

Gustav Mahler: Complete Editionより。
 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。1982年ライヴ録音。
 『交響曲第9番』 は1909〜1910年に作曲された。グスタフ・マーラーが10番目の交響曲に 『第9番』 という題をつけた経緯については、『大地の歌』の記事に述べたとおりである。また、『大地の歌』、『第9番』 ともに作曲者の死後、弟子のブルーノ・ワルターによって初演されている。
 4つの楽章という構成はマーラーにしてはシンプルだが、演奏時間は約85分とかなり長く、全体にゆったりしている。最初と最後の楽章は遅いテンポで、特に最後の第4楽章はじわじわと盛り上がり、次第に静かに ――この世界に別れを告げるかのように―― 消え入るように終わる。
 以下の映像はカラヤンの1982年のライヴ録音より、第4楽章。



 初期のデジタル録音だが、非常に良い音である。オーケストラがすぐ近くで鳴っているように聞こえる。レガート(なめらかに)奏法を得意とするカラヤンの一番良いところが聴ける名演奏だと思う。