セーラー万年筆 読書ペン 「名作ふたたび」 その後

セーラー万年筆 「名作ふたたび」 のプレスリリースがひどすぎる件 - 蟹亭奇譚の後日談を簡単にまとめてみる。

  • 2月20日(土)の日中に上記記事をアップ。
  • 同日(夜だったと思う)、セーラー万年筆 |公式ウェブサイトのサイトの 「お問い合わせ窓口」 フォームから上記記事を公開したことを同社に連絡。
  • 22日(月)、音声ペン事業室の担当者から電話。僕は仕事中だったため出られず、留守電にメッセージあり。
  • 3月1日(月)、http://www.sailor.co.jp/BUNGU/dokushopen/index.htmlという商品紹介ページが公開(トップページからリンク)されたのでブクマ。この時点では 「収録作品一覧」 は表示されていなかった。
  • 3月3日(水)、同商品紹介ページに 「収録作品一覧」 が表示されているのを確認。(←イマココ)

 2月20日の記事で指摘した箇所の誤りは 「収録作品一覧」 では全て訂正されているようだ。(収録作品のすべてをチェックしたわけではないし、チェックするつもりもないのだが。)一方、日経と日刊工業新聞のプレスリリースはそのままになっているが、一旦発表した情報を訂正するのは難しいのかもしれない。メーカーのサイトによる商品の説明が正しく表示されているのならば問題はなさそうだし、これ以上、メーカーを問い詰めるつもりはない――というのが、僕の立場である。
 さて、商品紹介ページを読んで、思ったことをいくつか。

  • 「読書ペン」 というインターフェイスについて
    • パソコンとも iPod とも全く違うインターフェイスを持つ 「読書ペン」 というアイデアそのものはユニークだと思う。
    • パソコンや携帯や iPod を使うのに慣れていない、あるいは使うのが困難なユーザ層にアピールするかどうかがネックかもしれない。例えば高齢者、幼児、障害者など。
    • 例えば付属のガイドブックが点字対応だったら良いのにと思う。
    • マイクロSDカードは高齢者には使いづらいのではないか。
    • 単一機能のわりに価格は高いと思う。田舎のおばあちゃんにプレゼントするのだったら、こんなものかもしれないが。
  • 「朗読」 というジャンルについて
    • 名作文学の 「朗読」 というのは、古くは NHK などのラジオ放送に始まり、カセット・CDブックなど有名な俳優や作家自身による朗読作品、アマチュアによる podcasting に至るまで、マイナーながらそれぞれに熱心なファンが存在する分野である。
    • 僕の親戚に、NHK-BS で朗読番組をやっていた俳優がいるのだけど、「朗読」 のファンは 「誰が読むのか」 によって作品を選ぶものらしい。(アニメや洋画だって、声優によって評価が大きく左右されるのだから、そういうのはわかる気がする。)
    • 「名作ふたたび」 はプレスリリースによると 「専門の朗読家が担当」 と書かれているが、アナウンサーなのか俳優・声優なのかわからず、名前すら公表されていない。このやり方では、従来の 「朗読」 ファンにはアピールしないのではないか。
  • 収録作品のラインアップについて
    • 有名な作品と無名な作品が混在している。個人的に気になるラインアップではあるが、他人に勧めたくなるほどではない作品が混ざっている気がする。
    • 書籍としては入手困難なものも多いが、大部分は青空文庫で読めるようだ。
    • 宮澤賢治夢野久作の両方が好きという人は、少ないのではないか。
  • 「やすらぎのピアノ演奏」 について
    • 説明不足のため、どういう内容なのかさっぱりわからない。
    • 水城雄という人は NPO法人 現代朗読協会 という団体の代表らしいのだが、朗読者なのか作曲家なのかピアニストなのか不明。全部やっている可能性もある。
  • 文学全集によくある 「監修者」 みたいなの、名前だけでも良いから有名な作家、研究者を入れたほうがよくないか。