「バド・パウエルの芸術」

バド・パウエルの芸術

バド・パウエルの芸術

 原題 "The Bud Powell Trio"。天才肌のジャズ・ピアニスト、バド・パウエルの1947年の初リーダー録音と1953年のセッションを8曲ずつ収録したピアノ・トリオの名盤。Amazon の商品解説に 「今日ではごく当たり前のピアノ~ベース~ドラムスというトリオ編成を一般的なものにしたのもパウエルである。」 と書かれているが、それ以前のピアノ・トリオにはベースの代わりにギターか管楽器が加わっていたらしい。[要出典] パウエルの先輩にあたるアート・テイタムの時代には左手でベース・パートを弾いていたのだが、パウエルは低音部をベーシストに任せ、左手でコードを弾きながら右手で物凄い速さのソロを演奏するようになったのである。
 本アルバムではなんといっても、マックス・ローチ(ds)が参加した1947年の演奏が素晴らしい。パウエルの右手は異様に発達して、蟹でいうとシオマネキみたいなものである。ローチも負けずに応戦していて、機関銃の撃ちあいのようなセッションになっている。