第11講 川端康成 『雪国』(2)
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講義ノート
講義の最中にとったノートをほぼそのまま写したものなので、文責はすべて kanimaster にあります。
- 純文学/大衆文学の区別は、どの国にもある。
- 『ドン・キホーテ』は当時流行の騎士道小説を風刺したもの。
- 宇能鴻一郎は純文学出身。のちにポルノ小説を書いた。
- 西村寿行……ハードロマン
- エド・マクベイン……87分署シリーズ。黒澤明 『天国と地獄』 の原作。
- ドイツには大衆文学があまりない。
- マーガレット・ミッチェル 『風と共に去りぬ』
- パール・バック 『大地』
- O・ヘンリ
- レイモンド・カーヴァー
- ポール・オースター
- 純文学は売れない
- 純文学を出した出版社
- 『雪国』、『山の音』、『千羽鶴』 は短編をあとからまとめて出版した。
- 『眠れる美女』、『片腕』 は純文学の傑作。
- 『東京の人』 は地方紙三社連合(北海道新聞、中日新聞、西日本新聞)に連載された。川端の小説で最も長い。
- 「悲しいほど美しい声であった。」……川端の 《不幸萌え》。
- 「左手の人差指をいろいろに動かして眺めては、結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている……」……車中の描写
- 「「こいつが一番よく君を覚えていたよ。」と、人差指だけ伸した左手の握り拳を、いきなり女の目の前に突きつけた。」……駒子との再会
- 「友だちだと思ってるんだ。友だちにしときたいから、君は口説かないんだよ。」……と言いながら、口説いている。
- 「学生の頃は好みが踊や所作事に片寄って来て」……踊と所作事は同じ意味。関西出身の川端は歌舞伎に詳しくなかったのだろう。
- 「よろこびにさからうためにそでをかんでいた。」……いつの間にかセックスしている。
- 「徒労だね。」
- 「……駒子がいいなずけのために芸者に出たというのも、余りに月並な筋書で、島村はのみこめぬ心地であった。」……《不幸萌え》 をまとめている。
- 「勧進帳が終わると島村はほっとして、ああ、この女はおれに惚れているのだと思ったが、それがまた情なかった。」
- モデルのある駒子にはリアリティがあるが、川端が創作した葉子ははっきりしない。
- 「君はいい女だね。」……聞き違い
- 島尾敏雄 『死の棘』……「きちがい」と「ききちがい」
- こういう話は駒子が死なないと終わらない。
- 川端は、ハンセン病の作家、北条民雄に手を差し伸べた。
- 『東京の人』……臼井吉見は他人から聞いた話を確認せずに批判した。
- 温泉芸者とのセックス……芸者遊びをしたことのない者にはわからない部分がある。
- 「悲しいほど」など、同じ言葉の繰り返しが多い。
次回
泉鏡花 『歌行燈』