第1講 文学とは何か
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講義ノート
講義の最中にとったノートをほぼそのまま写したものなので、文責はすべて kanimaster にあります。
- 文学とは、明治維新以前の時期は漢文・漢詩を意味するものだった。
- 詩と小説。詩が一番だった。ex.ホメロスの叙事詩
- 水滸伝、三国志などは稗史(はいし)小説と呼ばれる。
- シェークスピアの戯曲は、詩の形で書かれた。
- 文学は知識人のためのものであって、民衆には理解できなかった。
- ダンテ 『神曲』 も詩で書かれた。
- 日本には和歌があるが、漢詩が多く書かれた。
- 短歌、俳句、都々逸。「宮さん宮さん」(明治維新の頃の軍歌)
- 日本の詩には「型」がない。
- 日本には英雄叙事詩がない。『古事記』、『平家物語』は詩ではない。
- 曲亭馬琴は 『南総里見八犬伝』 を七五調で書いた。
- 俳句は元々短かったわけではない。連句の発句が取り出されて、俳句となった。
- 日本の近代詩の頂点は、高村光太郎と萩原朔太郎。
- 宮沢賢治は賛否両論。
- 現代、詩で食っているのは谷川俊太郎と大岡信だけ。
- 小説のはじまりは、16〜17世紀の騎士道物語。恋と冒険がテーマ。
- 日本には物語文学があった。『源氏物語』 以降、鎌倉・室町時代にかけて。
- 日本の近代小説の始まりは、二葉亭四迷(長谷川辰之助)。
- 徳川文芸の特色は、ヒーロー(色男)が女にモテること。女が男を口説く、というのがパターンだった。
- 女から好かれてもいないのに、男が恋をするというのは「岡惚れ」といって、悪役のパターンだった。
- 『浮雲』 は、男が女に恋をする話。徳川文芸と異なる特徴をもつ。
- 面白くない小説は、面白さをいくら説明されても面白くはならない。
- 裏読み、モデル読み(小説の書かれた背景や登場人物のモデルを探ること)に面白さを見出す場合もあるが、そういうことを説明されても、面白くはならない。
- 『こころ』 は本当に面白いのか。
- 『虚航船団』 は面白いと思えない。
- 『ロリータ』 は少女愛の話かと思ったら、そうではない。
- 『雪国』 を理解するには、芸者遊びを知らなければならないかもしれない。
- 『アンナ・カレーニナ』 は、どの人物に共感するかによって、違った読み方になる。
- 『クロイツェル・ソナタ』 は、結婚しないとわからない。
- 中野実 『花嫁設計図』 は昭和10年頃の通俗小説。言葉遊びが多く、中学生のとき読んだら面白かったが、大人が読んでもつまらないだろう。
- 小説は、19世紀半ばから20世紀初めまでが頂点。今は衰退期。
- ポストモダンというのがあるが、意味がわからない。
【次回予告】
- 樋口一葉は処女だったのか!?