Wayne Shorter "Et Cetera"

Etcetera

Etcetera

 1965年は、当時“新主流派”と呼ばれたモダン・ジャズ・アーティストが傑作を次々に発表した年であった。御大マイルス・デイヴィスが1年近くにわたって病気療養のため音楽活動を停止していたからである。マイルス・グループのメンバーやその周辺にいたミュージシャンたちは、これを機会に先鋭的、実験的なレコーディングを進んで行い、『処女航海』、『スプリング』などの傑作を生み出した。
 本作はそのような時期に行われたセッションの一枚。(当時はお蔵入りし、後年に発表されたらしい。) ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、セシル・マクビー(b)、ジョー・チェンバース(ds)のカルテット演奏である。メンバーには恵まれている。しかし、演奏は一定の水準に達しているものの、名盤と呼べるほどの出来ではない。一番すごいのはショーターのテナー・サックスの音である。倍音が強調され、時折ソプラノ・サックスのような響きを感じさせるのだ。
 2曲目の "Penelope" は、"Adam's Apple" 収録の "El Gaucho" と別アレンジの同じ曲であった。