カール・リヒター/J・S・バッハ『ヨハネ受難曲』

バッハ:ヨハネ受難曲

バッハ:ヨハネ受難曲

 リヒターの『ヨハネ』はなんと激しくうねり、厳しく胸に響くのだろうか。
 第1部の終わり、ペテロの否認の後のコラールでは、ペテロの裏切りが彼一人のものではなく、我々全ての人間の罪であることを(歌詞ではなくハーモニーで)告白する。夜が明けて鶏が鳴くとき、僕はペテロとともに泣く。