小銭貯金

 コーヒーの空き缶がある。450グラム入りという大きな缶である。プラスチックのふたにカッターで切れ目を入れ、ふたそのものはテープで缶に固定して、容易に開閉できないようにする。これで大型貯金箱の完成である。ふたに入れた切れ目が硬貨の投入口になっているのだ。
 財布の中に小銭があれば、必ず缶に入れる。硬貨の種類は、1・5・10・50円玉だ。100円玉500円玉を貯めればすごい金額になるのだが、それでは日常の家計にひびくだろう。僕はこの小銭貯金を10年以上続けている。だいたい1年から1年半で缶が満杯になるので、郵便局へ持っていき、通帳へ入金すると、5千〜8千円程度の金額になる。
 郵便局の窓口で気をつけたいのは、小銭の「両替」ではなく、あくまでも「入金」だということだ。「両替」は手数料がかかるし、あまり良い顔をされなかったりする。現金が必要なら、入金した後、ATM で引き出せば良いのである。入金は、大きな郵便局ならだいたい機械で硬貨を数えてもらえるので、そんなに時間がかかるものではない。もっとも、月末など混み合う時期は、他の利用客の迷惑になりかねないので、避けたほうが良いだろう。
 さて、今回の貯金額は1万2千円を超えていた。意外と貯まるものだと驚く。こういった臨時収入は、ぱっと使ってしまうに限る。小市民の楽しみの一つである。