2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春色(しゅんしょく)

春色のタイツ駆け行く交差点 春光やマズルカ踊る娘たち 春色やシュウマイ弁当崎陽軒

3・11

鎮魂のうたを三月十一日 幼子も二歳となりて篝火花(シクラメン) 春灯のみちのくの地に少しずつ 看護師の宮城訛りや辛夷咲く みちのくの訛りこぼるや春セーター 消防団の子の敬礼や山笑ふ 宮城野の子より蒲公英もらひけり あの春に抱いた子が持ち上がらない…

黄砂ほか

黄砂だよ黄砂ぢやないよはうれん草 致死量に至らず黄砂降りにけり 蒲公英の信頼が欲しかつただけ 霾(つちふる)や髪を何度も洗ひつつ 未練なき振りして見せて凍(いて)ゆるむ 詩を吸って詩を吐き出して潮まねき

ものの芽

ものの芽や2ケツのチャリの白タイツ ものの芽や食後の珈琲泡立ちぬ ものの芽やケメ子の作るオムライス

水温む

天井に足跡二つ水温む 白いギター誰が弾くのか水温む

春暁

春暁の半裸出来れば全裸かな 三月のいつかはかゆし目鼻かな

雛納め

母の背の夜遅くまで雛納 雛納ケメ子の作る玉子焼 音楽性の違いで五人囃子解散

鳥帰る

白鳥引くその行く末や以下次号 鳥帰る国境のなき大空へ

沈丁花

人攫ひの出さうな宵や沈丁花 足裏を猫に踏ませて沈丁花

続・啓蟄ほか

啓蟄やお前らみんな逮捕する 啓蟄のコスプレしたる女かな 囀に見上げてみれば午後の塔 大川に子等の駆けゆく初雲雀 ひかり射すスカイツリーや初ひばり 啓蟄や舟音しげき隅田川 啓蟄の海老天の尾の反り返る

啓蟄ほか

観梅や二十歳の恋のなれの果 啓蟄やケメ子の細きあごの線 武蔵野を踏みつゝ行かん春の泥 啓蟄やパックの顔で振り返る 千本の花にブロックされてゐる 啓蟄やピテカントロプスエレクトス 啓蟄やお茶は飲むべし唄うべし 啓蟄に透けて見ゆるやしたごころ

春の夕

警官が祖母連れ帰る春の夕

雛壇にキュアハッピーの混ざりをり 持主は三代目なり内裏雛

フィクショネス句会

3月3日(日)、下北沢の書店フィクショネスで毎月行われる句会に参加。 http://www.ficciones.jp/ 以下4句を投句しました。 田楽を舐めるよ何度言われても 古書店にもものつぼみも少しずつ 誰よりも父が夢中で雛の家 看護師の座りしところ初蝶来

ディック忌

ディック忌や頼朝公の髑髏(しゃれこうべ) ディック忌や見知らぬ妻が家にをり ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1978/10/01メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 175回この商品を含…

春動く

春うごくタトゥータイツの膝の裏 春めくや隣の三毛の鳴く声も 内野手の深き守備位置春動く 二遊間ダブルプレーや春動く そもそもと蒸し返しけり浅蜊汁

ミモザ

サンタナの追加公演ミモザ咲く ミモザ咲く僕のリズムを聴いとくれ

三月

ありがとうやつと二月が逝きました 現世よりましかもしれぬ紙風船 三月やルパンを追つてふらんすへ 三月や獣のやうな心地して 三月や世界は未だ終らずに 三月の芋焼酎はストレート