2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

大蒜

ケメ子には大蒜抜きで注文す ニンニクは苦手ざますウォーでがんす 大蒜じゃないよゾンビの弱点は

復活祭ほか

三度目の桜を見つつ発ちにけり 東京が僕のふるさと桜散る 復活祭鳩は子供を取り囲む 手品師の鞄重くて復活祭 紫木蓮八尺の木に花が百

カタリストBA句会

堀本裕樹公式ブログ |カタリストBA句会@二子玉川開催 3月30日(土)、カタリストBA句会に参加。以下の2句を投句しました。 ハーモニカ河原で吹くよ春の空 多摩川に子らの駆けゆく初雲雀 「初雲雀」は主宰・堀本裕樹さんより秀逸にとっていただきました。

春服ほか

春服を着て散歩するチワワかな 春服やきれいに剥けぬ茹で卵 春服や第二楽章メヌエット オカリナでふるさとを吹く春の服 春服の脚のナチュラルベージュかな 春服で集ふピアノのおさらひ会 春服のぴたりと尻を収めけり 春服をどろどろにする男児かな 春服を泥…

桜散る

侍の両手に猫や散るさくら 退職の心も軽く散る桜

受難日

受難日や我も眠りてゲッセマネ わが神と祈るイエスや受難の日 十字架につけよと叫ぶ春の雷 春暁やピラトの妻の告げしこと 春暁にペテロは三度否みけり 春しぐれ御母の流す涙かな 花冷えやユダヤの王と嗤はれて 十字架を背負ひ給ふや春の闇 春雨とともに流れ…

春の雷

春の雷(らい)おへそ隠して尻隠さず 一斉に車夫の駆け出す春の雷 春雷やユダの駆け込む木曜日 春雷や福音史家のレシタティフ 春雷やケメ子の通ふ喫茶店

朧夜ほか

朧月いちど女に生まれたし 朧夜にヨハネの首を所望せり 朧夜や愛してるって言わなきゃころす 福神漬を奥歯で噛むやスーダラ忌 朧夜や長子はいつも割を喰ふ 蕎麦茹でる湯気の白さや花の雨

霾(つちふる)

霾や猫の喧嘩も両成敗 今朝読みし頁に霾(よな)の印かな 霾やiOSで変換す

花見

花見などろくにせぬまゝ花疲れ 花見など軽く済ませてカラオケ店 コロッケを食べるや否や春愁ひ 新聞を繰る音高し菜種梅雨

春の蠅

体じゅう掻いてばかりや春の蠅 駅前で弁舌奮ふ春の蠅 満員のエレベーターに春の蠅 二時からは春の蠅とのアポイント 革張りの社長の椅子に春の蠅 お兄ちゃんどいてそいつが春の蠅

藤谷治 『下北沢』

……「カフェ・オーディネール」を出た僕たちは何となく一番街を高校に向かって歩き、「悪童処(わるがきさろん)」の四つ角を左に折れて、滅法美味いと評判のクレープ屋さんを通りすぎ、井の頭線の踏切を渡ってコンビニの手前にある細い道に入った。井の頭線…

第29回いるか句会

堀本裕樹公式ブログ |◆第29回いるか句会告知 第29回いるか句会・会場変更のお知らせ | 堀本裕樹オフィシャルサイト 3月23日(土)、第29回いるか句会に参加。以下の5句を投句しました。 啓蟄や犬の散歩を待つ目つき 本塁に送球せしが春一番 春一番ギターの…

残る雪

残雪やいつもの如く鳩時計 病棟に朝の気配や残る雪 雪形の麓に君の小学校 外来の暗き廊下や残る雪 満開の花の便りを出したくて 検温の時間となりき雪残る 雪形や常念坊に祈られて 順繰りにカーテン開けて百千鳥 東京の朝は果てまで花盛り とっておきの場所が…

花冷えほか

花冷えの夜は呑むべし唄ふべし 駅員に絡む男や花明かり クラインの壺を吐き出す蛙(かはず)かな

彼岸潮

春潮の時専用の滑走路 自転車にアイスを積んで彼岸潮

下北沢

花冷えの地上ホームの暮れて行く 教会の見える線路や春の宵 環七を渡る鉄橋春愁ひ 彼岸過ぎて踏切待ちの救急車 春の夜やガードの下のギター弾き 下北の街は朧に沈みけり

星朧

億年前地球もかつて星朧

ふらここ

ふらここは何処にありやほらここに

春分

春分やプリキュアなくて泣く子供 春分にプリキュアなくて泣く子かな 春分や湯舟にタオル入れちゃだめ 春分やお前どこ中出身だ

蓮華

蓮華田の尻の形に凹みをり 知ってるかい紫雲英(げんげ)摘むときうたう唄 ロボットの肩のあたりに紫雲英かな

Tポイントカードはおもちですか春

花冷えや女は夜叉となりしまゝ 川岸に小鬼の走る里桜 夜桜や墓地の方から槌の音 積年の怨みも果てて初桜

春北風

地下鉄のシャッター開く春北風(ならひ) 春北風駅のシャッター開くまで 五反田の初電を待つや春北風 春北風(はるきた)に暗き陰あり黙示録

落椿ほか

横浜に集ひし子らや薄紅梅 門前の似顔絵描きや落椿 一瞬の殺意もろとも椿落つ

進級

進級や一度も声をかけぬまま ローファーのかかと潰して進級す 進級や部室の窓に光さす 進級や男子は掃除してください

邪神忌

春の宵ファンの集ひて窓に!窓に!*1 *1:邪神忌。3月15日は作家、H・P・ラヴクラフト(1890-1937)の命日。

路線バスお客は我と黄蝶かな チノパンの尻に止まりし蝶々かな チノパンのケメ子のケツに蝶止まる

春疾風

春疾風(はやて)群馬の土を巻上げて

柳の芽

ふるさとに人影もなくやなぎの芽 芽柳や散歩の犬と行き交す 対岸に丁髷(ちょんまげ)歩く柳の芽