2012-01-01から1年間の記事一覧

十二月八日

戦争は今もどこかでレノンの忌 今日の季語の踏絵の如き十二月 ラジオから叫ぶロックやレノンの忌

大雪(たいせつ)

凩の溜まる処に鳩集ふ 大雪やティッシュ配りの並びをり

麦の芽

一粒の麦死して芽を出しにけり 麦の芽やいつか全てはグラコロに 右端にウォーリーがゐる芽麦かな

炬燵

あと三人詰めて入れよ掘炬燵 カレー屋の炬燵の中に猫二匹

ダシール・ハメット 『マルタの鷹』読書会

書籍在庫検索アプリ「Takestock」を使ってみた - 蟹亭奇譚 の続き。そして次回『杉江松恋の、読んでから来い!』第二回は、12/4!課題本は“『マルタの鷹』改訳決定版”に決定! 今日涙を飲んで参加できなかった方も次回はぜひ。しかも早くも、ちょっとサプラ…

捨て句のススメ

「俳句やってるんだって?」「どんな俳句作ってるの?」と言われて、句を口に出してみてもたいていは反応は芳しくない(と思う。経験は少ないけど)。口伝てだと、口に出す方も聞いている方もどうも恥ずかしいと思う。— 鈴木牛後さん (@Gyuugo) 12月 4, 2012…

冬木立

むく犬を先に歩かせ冬木立 冬木立犬の見つけし死体かな 警察の現場検証冬木立 冬木立現場に残る空薬莢 鑑識の結果O型冬木立 寒林や死亡推定時刻二時 寒林に身元不明のほとけかな 寒林や張込み刑事(デカ)の缶コーヒー 珈琲をポットに詰めて冬木立

手袋

手袋をはめて金庫を開けにけり ゴム手袋脱いで手術は終了す 手袋を反転すれば逆の手に

フィクショネス句会

12月2日(日)、下北沢の書店フィクショネスで毎月行われる句会に参加。 http://www.ficciones.jp/以下4句を投句しました。 探偵の死を告げにけり初時雨寒月と戦ふためのチョコレイト小雪(せうせつ)や母の折紙大雑把花園の掏摸の銀次や酉の市

冬の波

跪く真犯人や冬の濤 冬濤や映画の中の任侠道

待降節

待降節ミサに集ひし五十人 夕拝の子らの祈りや待降節 外套を着たまま捧ぐ祈りかな

寄鍋ほか

冬の暮いつも夕日に間に合はぬ 寄鍋や野菜もたんと食べなはれ 寄鍋や今夜の〆はラーメンで

捕鯨船

エンジンの音の高さや捕鯨船 右舷前方二十度に鯨かな

毛皮

毛皮着てマンモス肉を喰らひけり マンモスの肉汁跳ねる毛皮かな

切干ほか

片隅に切干ありき手弁当 天と地を隔てて立つや冬の富士

浜千鳥

浜千鳥歩みに合わせ指パッチン

寒月

寒月やモノラルで聴くパルティータ

神無月

万軍の主は共にあり神無月 この国に神無月あり飯美味し

冬木の芽

冬木の芽天に向ひて拳上ぐ 冬木の芽頭巾の子等の走り行く しなやかに空目指したる冬芽かな

芭蕉忌

芭蕉忌や何時の間にやら年下に

上野・谷中・千駄木

不忍池を染めたる紅葉かな 水鳥の場所を波紋で探しけり 小春日に拍手喝采大道芸 横丁に揺るることなし枯れすすき 冬の暮谷中銀座の雀かな 千駄木の商店街も冬の月

冬の暮

冬の暮猫の産まれた話など リハビリに通う親子や冬の暮

紅葉

溝川に流るる今朝の紅葉かな 紅葉を浴びし帝国ホテルかな

一葉忌

硝子戸に雨音当たる一葉忌

凩やあの人確か死んだはず 凩や蕾のままのハイビスカス 凩や猫の集まる駐車場

小雪(しょうせつ)

小雪や気圧配置の変りつつ 小雪やそろそろ角が生えてくる 小雪の夜や幼子泣き止まず 小雪や紙で作つた落し蓋 小雪や猫は黙つて愚痴を聞く 小雪の宵や純米浦霞

焼芋

目を合はせ逃れられずに焼芋屋 焼芋屋昭和の節で唄ひけり ご親族の方からどうぞ焼芋屋 焼芋や限定何個と言われると 焼芋や今更嫌ひとは云へず 王妃曰くパンが無ければ焼芋を

夜咄

夜咄や敢て云ふならゾンビ枠 夜咄やたいてい人が死んだ話 夜咄やチャットで覚えたタイピング 夜咄やひとり喋っている男 夜咄に猫が混ざつて聞いてをり 夜咄やそろそろ縄を解いてよ 夜咄や少し溶けたるシガーチョコ 夜咄も猫の欠伸で終わりけり 夜咄の終る頃…

海賊

海賊も陸に上がれば蕎麦湯かな 海賊の稼業も十五年の秋

第25回いるか句会

堀本裕樹公式ブログ |◆第25回いるか句会告知 11月18日(日)、第25回いるか句会に参加。以下の6句を投句しました。 初紅葉僧の集ひて五六人 境内に踏切ありて薄紅葉 母猫の腹の白さや秋深し 手配書の男黄ばんで秋深し 木枯しや道行く人の貌のなき 白猫と道…