Thelonious Monk / The London Collection

The London Collection Vol. 1

The London Collection Vol. 1

The London Collection Vol.2

The London Collection Vol.2

The London Collection: Vol. 3

The London Collection: Vol. 3

  • 1971年11月録音。
  • Thelonious Monk (p), Al McKibbon (b), Art Blakey (ds)

 セロニアス・モンクにとって最後の公式アルバムとなったスタジオ録音盤。ロンドンの Black Lion というレーベルから、70年代に2枚に分けて発売された。(CDは収録曲が増えて3枚になっている。)
 Black Lion は70年代に往年のジャズ・ミュージシャンによる新録音のレコードを多数発表したレコード会社だ。日本でも LP レコードが発売されたそうだが、一度もみたことがない。80年代の末にひと通り CD が出て何枚か購入したことはあるのだけれど。
 さて、3枚のアルバムのうち、Vol.1 はピアノ・ソロ、Vol.2 はトリオ、Vol.3 はソロとトリオの両方による演奏が収録されている。本作の特徴は、ピアノの優れた音質にある。良くも悪くも70年代的な(おそらくコンデンサ・マイクを使っているのだろう)繊細で透明感のあるピアノの音なのである。これはもう好みの問題としかいいようがないのだが、モンクの演奏にこのサウンドは似合わないと思う。線が細すぎるのだ。
 モンクの演奏は、(驚くべきことに)ピアノが上達している。過去のレパートリーもミスタッチが少なくなり、きれいなモンクになっているのである。その分、特にソロ曲ではシリアスさが増していて、孤独な感じ、枯れた感じがする。(聴いていて楽しくなるような音楽ではない。)