Thelonious Monk / Underground

Underground

Underground

  • (2), (6), (8) …… 1967年12月14日録音。
  • (4), (9) …… 1967年12月21日録音。
  • (1), (3), (5), (7), (10) …… 1968年2月14日録音。
  • (2), (4), (6), (8), (9) …… Thelonious Monk (p), Charlie Rouse (ts), Larry Gales (b), Ben Riley (ds)
  • (1), (3), (5), (10) …… Thelonious Monk (p), Larry Gales (b), Ben Riley (ds)
  • (7) …… Thelonious Monk (p), Larry Gales (b), Ben Riley (ds), Jon Hendricks (vo)

 「ジャケ買い」レコードである。このカヴァー・アートが昔から写真なのか絵画なのかわからなくて、議論になっているのだけど(村上春樹は「写真」だという)、手前のテーブルとその上の小物、ダイナマイト、無線機などのバースがおかしいので、少なくともその部分は絵画なのではないだろうか。
 オリジナル LP は全7曲入り。2003年リイシュー盤は別テイクが3曲追加されている。オリジナル盤では、カルテットが3曲、ピアノ・トリオが3曲、ピアノ・トリオ + ヴォーカルが1曲となっている。68年2月のセッションは、チャーリー・ラウズが父親の葬儀のため欠席したらしい。(不参加の理由が「忌引」というのも珍しい。)
 で、本作は旧(オリジナル)盤と新(リイシュー)盤の内容がかなり違うのである。旧盤のプロデューサーはテオ・マセロ、新盤のプロデューサーはオリン・キープニューズが手掛けている。旧盤は低音が抑えめで、細く軽い音作りになっていたが、新盤は低音部分を強調し、さらにリヴァーブをカットして、乾いた重厚な音になっている。また、旧盤でほとんどカットされていたベース・ソロ、ドラム・ソロなどが復活し、7曲あわせて10分程度長くなっている。
 (1) と (7) はモンク作曲の旧レパートリー。(2), (3), (4), (6) が新曲である。(スタンダード・ナンバーが1曲しか入っていないアルバムも珍しい。)(2) "Ugly Beauty" はモンク作品としては貴重な4分の3拍子の楽曲。美しい曲なのだが、ラウズのテナーがかなり音を外していて残念。
 全体に重苦しい雰囲気のあるアルバムだと思うのだけど、ラストの (7) でジョン・ヘンドリックスのヴォーカルが加わると、様子が一変して盛り上がる。