Thelonious Monk / Straight, No Chaser

Straight No Chaser

Straight No Chaser

  • (2), (7), (8), (9) …… 1966年11月14日録音。
  • (1) …… 1966年11月15日録音。
  • (3), (4), (5), (6) …… 1967年1月10日録音。
  • Thelonious Monk (p), Charlie Rouse (ts), Larry Gales (b), Ben Riley (ds)

 コロンビア盤としては約2年ぶりに発表されたセロニアス・モンク・カルテットのスタジオ録音アルバム。
 オリジナル LP は全6曲入り。1996年リマスター盤 CD は音質が格段に向上。LP では編集によりカットされていたベース・ソロ、ドラム・ソロなどを復活させたロング・ヴァージョンが収録されている。また、CD には3曲が追加されている。
 本作最大の呼び物は、滝廉太郎作曲 (4) 「荒城の月」のカヴァーだろう。海外のジャズ・ミュージシャンが日本の曲(たとえば「さくらさくら」みたいなの)をカヴァーすると、だいたいスベって終わるのが通例だが、この演奏は違う。天才ピアニスト、モンクが本気で取り組んだ大傑作なのである。16分41秒もあるので、途中で飽きるかと思いきや、最後まで一気に聞き惚れてしまう。しかも、変に西洋風にアレンジしていなくて、あくまでもモンクの音楽になっているところが良い。
 (1), (3), (6) はモンク作曲の古いオリジナル。他の曲はスタンダード・ナンバーだが、「荒城の月」のインパクトが強すぎて、他のスタンダード曲は印象に残らない。(5) と (7) はピアノ・ソロ。これらも前作 "Solo Monk" に比べると、インパクトに欠けるかも。
 それから、(9) "Green Chimneys" はオリジナルの新曲だけれど、ここではリハーサルの段階にとどまる。この曲の本番テイクは、次作 "Underground" に収録されている。