Thelonious Monk / Big Band And Quartet In Concert

Big Band & Quartet in Concert

Big Band & Quartet in Concert

  • 1963年12月30日録音。
  • Thelonious Monk (p), Charlie Rouse (ts), Butch Warren (b), Frankie Dunlop (ds), Nick Travis (tp), Thad Jones (cornet), Eddie Bert (tb), Steve Lacy (ss), Phil Woods (as, cl), Gene Allen (bs, cl, b-cl), Hall Overton (arr.)

 1963年、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホールにおけるライヴ録音盤。1959年2月録音の "Thelonious Monk Orchestra At Town Hall" の続編にあたる内容で、10人編成のビッグ・バンドとレギュラー・カルテットの演奏を収録している。
 オリジナル LP は2枚組7曲入り。CD も2枚組で全12曲収録。当日の演奏曲順と同じかどうか不明だが、CD は全体が3部構成になっていて、1部と3部がビッグ・バンド、2部がソロとカルテット演奏になっており、それぞれ4曲ずつという内容である。また、各部の終わりに "Epistrophy" (エンディング・テーマ)がついている。
 同年のライヴ盤、"Monk In Tokyo" や "At Newport" が爆発的な演奏だったのと比べると、本作は対照的に緻密で繊細で、洗練された音楽になっていると思う。すなわち、カルテットよりもビッグ・バンドのほうが圧倒的に優れているのである。
 ビッグ・バンドの編曲は、"At Town Hall" と同じく Hall Overton が手掛けているが、同アルバムよりはるかにこなれている。特に Disc1-(2) "I Mean You" のソロのときの伴奏アレンジは実に見事で、クラリネットやソプラノ・サックスの音が美しく響く。
 "At Town Hall" のときと比べると、バンドのメンバーはフィル・ウッズを除き、全員交代しているのだが、本作ではウッズのアルトとサド・ジョーンズコルネットが光っている。モンクのビッグ・バンド作品はこのあとも何枚か登場するが、よく考えたらフィル・ウッズは全部に参加しているかもしれない。
 ソプラノ・サックス奏者のスティーヴ・レイシー(1934〜2004)は、50年代にデビューした頃からセロニアス・モンクの曲を頻繁にカヴァーしていたミュージシャン。当時はそんなに売れっ子ではなかったんじゃないかと思うが、モンクの死後、モンク研究の第一人者として活躍した。