Herbie Hancock / Sunlight

サンライト

サンライト

  • 1977〜78年録音。
  • (1) …… Herbie Hancock (key, vocoder), Wah Wah Watson, Ray Parker Jr. (g), Byron Miller (el-b), Leon "Ndugu" Chancler (ds), Raul Rekow (perc), etc.
  • (2) …… Herbie Hancock (key, vocoder), Paul Jackson (el-b), James Levi (ds), Bill Summers, Baba duru, Raul Rekow (perc), etc.
  • (3) …… Herbie Hancock (key, vocoder), Bennie Maupin (ss), Ray Parker Jr. (g), Paul Jackson (el-b), James Levi (ds), Bill Summers (perc), etc.
  • (4) …… Herbie Hancock (key), Paul Jackson (el-b), Harvey Mason (ds), Bill Summers, Raul Rekow (perc)
  • (5) …… Herbie Hancock (key), Jaco Pastorius (el-b), Tony Williams (ds), Bill Summers, Raul Rekow (perc), Patrick Gleeson (synth), etc.
  • ハービーのディスコグラフィーで見ると、ずいぶん久しぶりのエレクトリック・ファンク・アルバムだなあという感じがするが、実は『ニューポートの追想』以来1年ぶりである。(エレクトリック作品はちゃんと毎年出しているのだ。)1年に4〜5枚のリリースというのは今の感覚でいえば異常だけれども、当時はチック・コリアだって同じくらいのペースでレコードを出していたのだ。それほどの大人気、というか、ごく一部の人気アーティストによる寡占状態が続いていたわけである。
  • さて、本アルバムは全5曲入り。曲によって参加メンバーが異なる。(1)〜(3) はハービーのヴォコーダーによるヴォーカル・ナンバー。これが当時大きな話題となったのだが、ジャズ・ファンや評論家からはほとんど黙殺されていたと思う。だが、時代は変わった。一周回って今聴くとこんなに面白いアルバムはめったにないし、良い曲が揃っている。僕にとっては愛聴盤である。
  • (1) はイントロのエレピのフレーズからヤラレてしまう名曲だ。ヴォコーダーの激甘なメロディも素敵だし、なにより気持ち良さそうに歌っている。
  • (4) は久々にハーヴェイ・メイスンが参加。このドラマーが加わると途端にノリが良くなる。後半のエレピ・ソロも熱い。途中からややテンポが速くなっているが、おそらく一発録音なのだろうと思う。
  • (5) はジャコ・パストリアストニー・ウィリアムスが参加しているラテン・ナンバー。ジャコが弾いているリフは、彼のアルバム "Jaco Pastorius" 収録の "Kuru" という曲(ハービーが参加していた)と同じパターンだが、トニーの激しすぎるドラムが加わることにより、まったく別の曲に生まれ変わっている。ハービーはアコースティック・ピアノの多重録音で応戦。全員火の玉と化したかのような演奏で、アルバム全体の雰囲気から完全に浮いてしまうほど盛り上がる。
  • それにしても、ダサいアルバム・ジャケットだ。誰も止めなかったのだろうか。