Wayne Shorter / Speak No Evil

Speak No Evil

Speak No Evil

……「ウェインがジャズ史上最高の作曲家のひとりだということに、多くの人は気づいていない」とフレディ・ハバードは言う。「『スピーク・ノー・イーヴル(Speak No Evil)』や『ジ・オール・シーイング・アイ』といった彼の傑作のいくつかにはおれも参加しているんだけど、スタジオに入る間には必ず、家でしっかりと練習しておかないとならなかった。ソニー(・ロリンズ)とかトレーンとか、タフな連中ともプレイしたけれど、とにかくウェインは最高に変わった曲を書いていたな。奇妙なんだけど、聴く人の心をしっかりととらえるやつをね」。


 ミシェル・マーサー 『フットプリンツ 評伝ウェイン・ショーター潮出版社

  • アルバム冒頭の (1) "Witch Hunt" はきわめて複雑な前奏から始まる。妖しげなメロディ、連動するリズム隊の動き、そしてテナー・ソロが始まる瞬間、エルヴィンのドラムが炸裂する! 作曲者ショーターは、アレンジャーとしても一流なのだ。
  • もう一つ、本作あたりからショーターのサックスの音に変化が表れている。それはダイナミック・レンジの広さだ。1曲の中でピアニッシモからフォルテッシモまで移り変わり、音色もどんどん変化していく。ロング・トーンで咆哮するテナーのカッコよさは随一である。
  • ジャケットに写っている女性は、ウェインの最初の妻、アイリーン(日系アメリカ人)。1961年に結婚し、66年に離婚している。