キング・クリムゾン/しょうがない


  • 2002年発表のミニ・アルバム。"Happy With What You Have To Be Happy With"。
  • 変な邦題は収録曲 "Shoganai" から。ほかに "Mie Gakure" という曲もあるのだけど、どちらもインストゥルメンタル曲。
  • メンバーは2000年以来変わらず、エイドリアン・ブリュー(g, vo)、ロバート・フリップ(g)、トレイ・ガン(Warr guitar, rubber bass)、パット・マステロット(ds)。
  • 全10曲33分という内容だが、ちゃんと構成された楽曲は (2)、(5)、(8)、(9) の4曲であり、それ以外は間奏曲などのつなぎ部分になっている。そして、4曲のうち (9) 以外の3曲が新曲。3曲ともヴォーカル入りなので、エイドリアン・ブリューの存在が非常に目立つ作品になっている。
  • (2) "Happy With What You Have To Be Happy With"。(1) のアカペラに続いて始まるヘヴィーなロック・ナンバー。まさかのヒップホップ風スクラッチ音が聞こえる。エイドリアン・ブリューのブチ切れたようなヴォーカルがかっこいい。同じ曲のリミックス・ヴァージョンが次作のフル・アルバム "The Power To Believe" に収録されている。
  • (5) "Eyes Wide Open (acoustic version)" (上の動画)は、まさかのボサノヴァ。クリムゾンらしくないといえばらしくないのだけど、アレンジが良くて、ギターの音も心地よい。"The Power To Believe" にはエレキギターを使用したヴァージョンが収録されているが、そちらは普通。
  • (8) "Potato Pie" は、これまたまさかのスロー・ブルース。ここでもブリューのヴォーカルとギターが炸裂している。ロバート・フリップは全く目立たない。
  • (9) "Larks Tongues In Aspic Part IV" は3回目の録音(おそらくライヴ音源)。ややテンポを落とし気味で、とことんヘヴィーに押しまくる。トレイ・ガンの Warr guitar の歪んだ低音が凄い。後半のブリューのギター・ソロもぶっ飛んでいて、ノリノリのままエンディングへ突入。2000年のライヴではコーダにヴォーカル・パートがあったのだが、歌わずに最後までギターのまま終わる。
  • オマケの (10) "Clouds" はアカペラ・コーラスに続いて、約3分のサウンド・コラージュ。リハーサル中の音源や会話をつなぎあわせたものだが、ザ・ビートルズの "Revolution 9" を明るくしたような感じで楽しい。


Happy With What You Have to Be

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