キング・クリムゾン/クリムゾン・キングの宮殿

  • イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、キング・クリムゾンが活動していたのは、1969〜1974年、1981〜1984年、1995〜2008年である。
  • キング・クリムゾンのレーベル Discipline Global Mobile の表記に合わせて、1969〜を第1期、1971〜を第2期、1973〜を第3期、1981〜を第4期、1994〜を第5期、2000〜を第6期、2008〜を第7期と呼ぶことにする。
  • 私事だが、僕がクリムゾンを熱心に聴いていたのは、1975〜76年(第1〜3期のアルバムは全部聴いた)、1981〜1984年(第4期以降はリアルタイムで聴いた)、1989年頃にリリースされた THE DEFINITIVE EDITION シリーズ(ロバート・フリップによるリミックス CD)の時期、そして1995〜2001年である。それ以降は新作を聴かなくなってしまったし、延々と発売される未発表ライヴ音源や過去作品のリマスター盤に手を出さなくなってしまった。したがって、ここでは個人的な思い出や、CD の解説に書かれていないようなトピックを中心にいろいろ書いてみることにしたい。


  • 1969年発表。"In The Court Of The Crimson King"。
  • メンバーは、ロバート・フリップ(g)、イアン・マクドナルド(reeds, flute, key, vo)、グレッグ・レイク(b, vo)、マイケル・ジャイルズ(ds, vo)、ピート・シンフィールド(words, illumination)。
  • 初期のキング・クリムゾンは1975年までに9枚のアルバムを発表した。当時のファンの間で、「クリムゾンのアルバムの中でどれが一番好きか?」という質問が流行ったのを覚えている。ある者は『アイランズ』を挙げ、またある者は『レッド』を挙げた。その中で、一番人気があったのが本作『クリムゾン・キングの宮殿』であった。
  • だが、僕はどうしてもこのアルバムが好きになれない。ほとんど冗談のような『アースバウンド』を別にすると、本作が一番嫌いなのである。この順位は40年近く経った今でも変わらない。
  • 押しが強すぎる、無駄な部分が多い、表現が大げさ等々、欠点を並べてもしかたないのだが、とにかく音が汚いのである。
  • 上の動画はアルバム最後に収められたタイトル曲、"In The Court Of The Crimson King"。メロトロンという鍵盤楽器を大々的にフィーチャーした有名曲だが、肝心のメロトロンの音が大きすぎて歪んでしまっている。(この点は次作以降に改善された。)ドラムは元々高域をカットした独特の音だったが、リマスター盤では無理やり高域を上げているようだ。唯一の救いはグレッグ・レイクのヴォーカルとコーラスの美しさである。

 つまらない記事になったので、本アルバム収録の5曲にインスパイアされて以前作った「キング・クリムゾン俳句」を再記しておきたい。

誰も皆スキゾイドなり今世紀


春風に語れど何も聞かざりき


混迷は墓碑銘なりと詩人哭く


春うらら月の子踊る浅瀬かな


朧夜に紅のさす王の宮

In the Court of the Crimson King

In the Court of the Crimson King