ジェネシス/フォックストロット


――ピーターは生まれつきのおとなしい性格に逆らって、自分とバンドに目を向けさせようとある思いつきを実行することにした。頭のてっぺんだけを剃り、逆モヒカンにしたのだ。彼はきつい黒のアイラインを入れ、エジプト・スタイルで襟元や袖に宝石をいっぱいつけて、新しいイメージを強調した。


 スペンサー・ブライト『ピーター・ガブリエル(正伝)』(音楽之友社

  • 1972年発表。 "Foxtrot"。
  • 音楽的には前作の延長線上に位置づけられるものの、ジェネシスのステージにおけるビジュアルは大きく変貌をとげる。ピーター・ガブリエルの奇天烈な衣装とメイクはこの時代の彼らのトレードマークとなった。(ピーターの風変わりなビジュアルは彼のジェネシス脱退後もおよそ10年にわたって続いた。)
  • 一方、バンドの演奏技術はどんどん高まっていく。上の動画は1973年のライヴ演奏、"Watcher Of The Skies"。分厚いメロトロンの音と複雑なリズムがかっこいいプログレ・ナンバーだ。
  • 20分以上の長い曲が入っていたりして、とっつきにくい印象のアルバムだったのだが、90年前後の CD 化とともに再評価され、プログレッシヴ・ロックの古典となった名盤である。2008年リマスター盤では音質が格段に向上した。


Foxtrot

Foxtrot