イエス/海洋地形学の物語


  • 1973年発表(アメリカ、日本では翌年発表)の2枚組スタジオ録音盤、"Tales From Topographic Oceans"。
  • メンバーはジョン・アンダーソン(vo)、スティーヴ・ハウ(g)、リック・ウェイクマン(key)、クリス・スクワイア(b)、アラン・ホワイト(ds, p)。
  • 2枚組全4曲(LPでは各1面1曲)という長い曲ばかり収録した大作である。とにかく長い。というよりアルバム全体の「長さ」が本作のテーマになっていて、《ゆったりとした時間に身を委ねながら聴く》ための作品になっているのが特徴といえよう。長い曲なら以前にも「危機」があるが、「危機」のような緊張感は感じられない。
  • 長い繰り返し部分が何度もあったりして、正直うんざりする面もある。だが、それ以上に聴きどころも多く、音質も格段に向上しているので、個人的に愛聴盤となっている。
  • 上の動画は1曲目 "The Revealing Science Of God" (邦題「神の啓示」)。冒頭いきなりヴォーカルから始まる曲だが、2003年リマスター盤には約2分のイントロ(ギターとシンセサイザー)がついている。(蛇足だ!)
  • 4曲目 "Ritual" の最後の部分ではアラン・ホワイトがピアノを弾いている。ピンク・フロイドの『原子心母』のB面みたいな目立たない演奏だが、なかなか味があって良いと思う。
  • 本作のレコーディングの後、リック・ウェイクマンが脱退。脱退の理由は諸説あるのだが、当時は彼のアルコール問題のためと噂されていた。(のちにウェイクマンは自伝の中で、70年代後半にアルコール依存に苦しんだと書いている。時期が数年ずれているので、このときの脱退と関係があるのか不明である。)

Tales From Topographic Oceans

Tales From Topographic Oceans