印鑑を作ってもらった

雨人的篆刻 ~篆刻青春記~ |経堂です

 経堂駅前の書店で買い物をしていたら、「手彫りはんこ屋 実演販売」というのをやっていて、面白そうなので、俳号のはんこを作ってもらうことにした。
 《篆刻》 というのは石に文字を刻んで行くのである。


 さて、彫ってもらうのは「可児」の二字だ。最近用いている俳号である。
 まずは、石の大きさを選ぶ。印面の一番小さな石(9mmくらい?)に一字彫ってもらうと、1,260円とのこと。これは安い。
ちょっと大きめの12mmの石なら、1,575円。二字なので、一字追加で525円。これにしよう。合計2,100円の買い物である。
 篆刻家(はんこ職人)は、雨人さんという30代細面の方であった。僕が紙に「可児」と書くと、職人は鉛筆で、いくつかの書体で可児と書きながら、「こんな感じになります」とおっしゃる。傍に出来上がりの印影見本がたくさんあるので、だいたいイメージをつかむことができる。
「では、これでお願いします」と注文する。

 雨人さんは、石の印面を紙やすりでなめらかにしてから、鉛筆で文字を逆さまに書き、細い彫刻刀のような道具で、どんどん文字を彫っていく。(手前の紙に書かれているのが僕の字。)

 ときどき右上の鏡を見ながら、出来具合を確認する。龍の模様の容器は印泥(いんでい)と呼ばれ、スタンプインクに相当するものである。

 出来上がり。角を落として丸みをもたせているのが可愛い。
 彫っている時間は正味5分とかからない。文字の部分を彫っているからである。(逆に文字を残して周囲を彫ると5千円以上するらしい。)

 最近、友人と文通を始めているので、早速手紙に捺してみることにしよう。


【篆刻専門店】雨人的篆刻
 小田急線経堂駅前、経堂コルティ2F、三省堂書店での実演販売は、3月20日(火)まで。