世田谷文学館・星新一展


世田谷文学館 - 星新一展
 4月29日より開催されている星新一展に行ってきた。
 星新一の子供の頃の文章や絵画、年譜と写真、真鍋博和田誠の挿絵(原画やスケッチなど)、星新一原案のテレビ人形劇(昭和36年のもの)のビデオ上映、近年にNHKで放映されたショートショートの人形ジオラマなど、盛りだくさんの資料が展示されている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20100507-OYT8T00122.htm
 企画展の目玉となっている 「構想メモ」 は、虫眼鏡を使わなければ判読できないような細かな文字がびっしりと書き込まれていた。
 僕が特に面白いと思ったのは、銀座のバー 「まり花」 のコースターの裏側に書かれた著名人のサインのコレクションである。昭和50年代頃だと思うのだが、「まり花」 には多くの作家や漫画家、芸能人が集まっていたという話を筒井康隆のエッセイで読んだことがある。(星自身がそういう文章を書いたのを見たことがないのだけれど。)手塚治虫、石ノ森正太郎、高橋留美子光瀬龍筒井康隆タモリその他たくさんのサインが書かれたコースターが狭い一角に積み上げられていた。寄せ書き風に複数の作家が署名したコースターもあり、真ん中に誰かのサインが書かれているのに、その隅に「Wada」(和田誠のこと)と小さく書かれたのが何枚もあったりする。ユニークなのは光瀬龍が描いたロケットの絵だった。上手すぎるのである。この人は漫画家のほうが向いてたんじゃないかと思うくらいの出来なのだ。

 星新一展は、6月27日まで開催。


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