横溝正史 『獄門島』

 横溝正史の小説は終戦後間もない時期を舞台にしたものが多く、復員兵がよく出てくる。『獄門島』 では探偵・金田一耕助自身が復員兵である。
 面白かった。ミステリとしては 『犬神家の一族』 のほうが上かな。でも、飽きさせず最後まで読ませる。登場人物の描き方にムラがあって、何人かの人物はすごく良く書けているのに、被害者のあれはないだろうと思う。

 昭和51年版のカバー。やっぱりこういうおどろおどろしい絵が似合う。