Bill Evans / New Jazz Conceptions

ニュー・ジャズ・コンセプションズ+1

ニュー・ジャズ・コンセプションズ+1

  • (3), (8), (10) …… 1956年9月18日録音。
  • (1), (2), (4)〜(7), (9), (11), (12) …… 1956年9月27日録音。
  • Bill Evans (p), Teddy Kotick(b), Paul Motian (ds)

 ピアニスト、ビル・エヴァンス(1929〜1980)の初リーダー作。
 オリジナル LP は全11曲入り。(12) は (11) の別テイク。(2), (6), (8), (11) がエヴァンス作曲のオリジナルで、ほかはスタンダード・ナンバー。本作には名曲 (8) "Waltz For Debby" のショート・ソロ・ヴァージョンが入っているけれども、全体としてはスタンダード曲のほうが良い。
 アップテンポの (1) や (4) は何度聴いてもわくわくする。無名のピアニストだったエヴァンスの幸福な1枚である。

Art Farmer / Modern Art

モダン・アート

モダン・アート

 1958年、ビル・エヴァンスマイルス・デイヴィスのグループに加入。数枚の録音(いずれも名盤)を残しているが、マイルスについてはすでにレビューを書いたので、ここでは別のセッションをとりあげたい。
 本作は、トランペット奏者アート・ファーマーのリーダー作だが、テナー奏者のベニー・ゴルソンが大活躍しているアルバムである。ビル・エヴァンスは脇役なのだけれど、ピアノ・ソロのときには "New Jazz Conception" と似たような感じになるのが面白い。"New Jazz Conception" 収録の "I Love You" も再び演奏しているが、本作ではアート・ファーマーがアレンジしており、まったく違った雰囲気になっている。
 このあと、ファーマーは、トロンボーン奏者カーティス・フラーを加え、ピアノとドラムを一新して、6人編成の "The Jazztet" を結成するのだが、レコードは急につまらなくなる。テーマ部分のアレンジを重視しすぎて、演奏時間すなわちアドリブ・ソロが短くなってしまうのである。その点、本アルバムのほうが格段にレベルが高いと思う。
 なお、本作の録音を開始した前日(58年9月9日)に、エヴァンスはマイルス・デイヴィスセクステットとともに、ニューヨークのプラザ・ホテルのライヴに出演。70年代になってから、この時の録音が "Jazz At The Plaza Vol.1" というタイトルでレコード化されている。