幾たびも名を尋ねけり花茗荷*1 花茗荷そんな覚えはありませぬ 付き過ぎを忘れてしまふ花茗荷 茗荷の花が空を飛びさうである *1:ミョウガ（ショウガ科ショウガ属）とハナミョウガ（ショウガ科ハナミョウガ属）は別種だが、ここではミョウガの花を指す。

田中君地虫は鳴いていませんよ 張りつめた沈黙の間を地虫鳴く いやそれは鳴かないほうの地虫です*1 左眼の奥のあたりで地虫鳴く *1:季語「地虫鳴く」については、HAYASHI Yoshio on Twitter: "【今日の季語982】地虫鳴(じむしな)く：「地虫」はコガネムシ科…

貴殿の方が余程馬鈴薯である 一日中じゃが芋の皮剥きである 馬鈴薯の味噌汁といふ朝餉かな 馬鈴薯のくせに睫毛を盛りをつて 馬鈴薯や訊かれないのに自句自解 荷車がひつくり返つて馬鈴薯が 馬鈴薯の匂ひや土の無き暮し

震災の後に増えたか稲雀 稲雀おまえほんとはビール腹

最初から本気なんです秋の蝉 一斉に裾を抑える野分かな 観た観たと必死に鳴くや秋の蝉

休暇明け隣に謎の転校生 休暇明け彼女のほうが背が高い 発音がレイディオウになる休暇明 休暇明け昼は当分残り物 休暇明土産のちんすこう食らふ