2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧
青梅や毎年やつて来る男
蝉生るもう弟のいない部屋 蝉穴を出づる女の透き通る あんぱんを食べ損なつて六月尽
鯖鮓を提げる親父の千鳥足
ムーミン忌家族全員失踪す 先生のばかとつぶやく夏の海
岩棚で沸かす珈琲苔清水 岩清水覗く乙女の四つん這い 最高のカップ焼きそば岩清水
ゼリー食ぶ母の語りし東京弁 弟に赤妹に黄のゼリー 弟にばれないうちにゼリーかな つぶゼリー食べた証拠の前歯かな
木耳になつてしまつた右手かな 木耳に生まれ変りし少女かな
さみだるる確率五十パーセント 五月雨や復員兵の立ち姿 あんぱんを食べるよカエル㌠ 双子には双子のゼリー与へけり ゆるキャラとして余生を過す夏日
自転車にあんぱん積んで夏の川 あんぱんを咥へて夏の少女かな あんぱんを喰ふ花嫁や夏座敷 あんぱんを喰うべし蟻の来る前に
ウクレレを夏の河原で弾く女 低空を行く飛行機や夏の河 生も死も共に流れよ夏の川
六月や滑るユポ紙の書き心地 六月のユポ紙重ねて選挙かな 六月のユポ紙に触るる投票所 六月をぶら下げてゐる男かな 夕立や猫にまみれている時間 選挙(ユポ紙を触り)に行こう! - Togetter ユポ紙は投票用紙に用いられている合成紙です。
◆第32回いるか句会告知 | 堀本裕樹オフィシャルサイト 6月22日(土)、第32回いるか句会に参加。以下の5句を投句しました。 平凡に生くべし子等よ蝸牛 最大の頭痛と共に夏至の朝 夕立に白くなりつゝ瓦屋根 五月闇火の手の上る川向ふ 英国の人は年中梅雨と…
南から風吹抜ける慰霊の日 黙祷を捧ぐる子等や花でいご
梅雨冷や爪先立ちの足の裏 梅雨冷や少し心の狭くなる
亀甲に縛られてをり立葵
大量のおしぼり抱え一人客 おしぼりを乗せて瞳に浮かぶ色 おしぼりを握りしめたる負け試合 夏至近きパンツスーツの安臥(あんが)かな 夏至近し始発電車の就活生 短夜やストッキングのベージュ色 おしぼりにそつと吐きだす白きもの 短夜や解決しないディミニ…
蛇衣を煎じて恋のおまじない 薄くなりし付箋の色や桜桃忌 桜桃忌まさかジブリができるとは
夏掛や猫と猫との距離開く 明易し猫の行交ふ枕元 豆腐屋のシャッター開いて明早し 短夜や挨拶交す戦闘員 短夜や吐瀉物除けて歩きつゝ 自販機の唸りも高く溽暑かな ドアノブにしがみついたる溽暑かな 花栗やお前も俺も前屈み ユニゾンの響く聖歌や夏至近し 兄…
溽暑の夜あかるく染むる髪のいろ 猫と猫の間の空いて溽暑かな
エーテルの満ち満ちてをり五月闇 山嵐のジレンマとなる五月闇 梅雨闇の中より出でし腕二つ
色鯉の踊り疲れて胡座かな
戦死者やジョン・ウェインに憧れて
玉葱を切る玉葱のせいにする
調布まで渋滞二キロ夾竹桃 この道は箱根へ続く夾竹桃 本妻より夾竹桃の花届く 本妻の切手裏面に夾竹桃 戦争を語る古老や夾竹桃 古看板にジャズの字ありき夾竹桃 夾竹桃つぎは心臓かもしれぬ
梅雨寒や一週間の物語 半径の五メートルにも五月雨 留守中の猫の暮しや五月雨 梅雨寒やデシリットルの造影剤 梅雨寒やデシリットルの浣腸器 ウクレレのパワーコードや梅雨曇 梅雨空やクラリネットのタンギング
最後までとつておく主義さくらんぼ
クリームに顔を埋めて芒種かな
青空のかなしき朝や洗ひ髪 間違へて脱毛剤を洗ひ髪
若葉雨音から先に近づきぬ
6月2日(日)、下北沢の書店フィクショネスで毎月行われる句会に参加。(2ヶ月ぶり) http://www.ficciones.jp/ 以下4句を投句しました。 梅雨入や寝癖直らぬ十時過 どくだみに塞がれてをり猫の道 白日傘大人になつてしまひけり パセリ挿すコップの中の泡(…