ブラームス:弦楽六重奏曲第1番変ロ長調

 長調短調の違いは何か?――と聞かれて、「長調は明るく、短調は暗い」 と答えて良いのは小学生までである。
 ブラームス弦楽六重奏曲第1番は変ロ長調というキーで作曲されているが、明るさと暗さの両面を持っている。常にその両側を行ったり来たりし、またときに光と影、陰と陽が同時に鳴ったりするのだ。
 この曲を書いたときのブラームスは27歳だった。だが、この曲から感じられるのは若さではなく、成熟した大人の人生経験である。精神的に追い詰められたときなどに、これを聴くと、少しだけ元気になる。

 弦楽六重奏曲第1番は、ルイ・マル監督の映画 『恋人たち』 に使われている。まずは第1楽章。

 お次は第2楽章。(1分すぎあたりから。)動画にはイタリア語?の吹き替え音声が入っていて、ちょっとうるさいけど。

 なんでエロいシーンばかりなんだ?


ブラームス:弦楽六重奏曲集

ブラームス:弦楽六重奏曲集

 弦楽四重奏ヴィオラとチェロが加わった6人編成だが、どちらかというとバイオリン、ヴィオラ、チェロが3人ずつのダブル・トリオみたいな感じに聞こえる。アマデウス弦楽四重奏団の演奏はやや地味だけれど、分厚い中低音が魅力。