2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夏草

夏草や踏切の音鳴り止まず

ホトトギス

先週末あたりから近所の雑木林でホトトギスが啼き始めた。 ホトトギスなどというと何か風流なものを想像するかもしれないが、とんでもない。鳴き声は上の動画で聴くことができるけれども、このようなヒステリックで絶叫調の囀りが午前3時頃から約1時間にわた…

初夏

夏草の中で朽ちたる軽四輪 角川の裏表紙にも鮑かな 初夏や双子乗せたるベビーカー ワレワレハーやってみるなり扇風機 補助輪を外したときに風薫る 初夏やグラスの泡に溶けて逝く 五月闇猫と布団に入りけり 時鳥の鳴き出す前に眠りたし

初めて詠んだ俳句

初めて詠んだ俳句って何だっけ? ……というようなことを考えていて、ようやく思い出したのが以下の一句。 吊尾根の雪より白き小梨かな 1986年6月、友人と上高地を旅行したときの句である。 上高地の有名な河童橋から北アルプスを眺めると、左に奥穂高岳、右に…

続・ペンギン俳句

ペンギン俳句 - 蟹亭奇譚 の続き。 http://kameari.keizai.biz/headline/727/ 夏川を上り上つて帝釈天 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120524-OYT1T01129.htm 江戸川で捕り物ありき雲の峰 同胞の元へ帰るや夏の空 帰郷して母よりもらふ小鯵かな

蚕豆

日没を待ちて蚕豆茹でるべし 蚕豆の来れば忽ち莢の山 両の手に蚕豆握る赤子かな ほどほどに摘まむのが佳しはじき豆

小満

金環日食。小満や木漏れ日千の環となりぬ 小満にいつもの夕日戻りけり

第19回いるか句会

堀本裕樹公式ブログ |◆第19回いるか句会告知 5月19日(土)、第19回いるか句会に参加。以下の6句を投句しました。 行く春や銀の自転車滑り出す行く春や西も東も潮の音南風やマストの先の風見鶏帆を上げているかと競うヨットかな此処はまだ二人の秘密苺摘む…

エロス

芍薬や壁に手を突き後ろから 後ろ手に轡噛まされ白牡丹 リモコンのバイブで立つや杜若 薔薇の香に目隠しされて抱かるる 柔肌に笞(しもと)の跡や夾竹桃 街角に立つや汝が名は九蓋草

相模野の佳き風受けて苺摘む 赤子の手よりも大きな苺かな 部屋中が苺の匂ひ苺煮る 練乳をかけて舐めたき苺かな 苺喰ひ小悪魔すつと微笑みぬ

丹沢の懐深く泉かな

新樹

雨粒の打つ音高き新樹かな 待ち人や新樹の下に靴赤き

メロン

両腕で抱くメロンの重さかな 初物のメロンを箱から出して嗅ぐ 網の目のメロンの蔕(へた)の匂ひかな 全員でメロンを囲み正座かな 等分のメロンに兄は不服顔 マニュアルでピント合わせるメロンかな 背徳の味のメロンの柔らかさ スプーンでメロンを薄く食べる…

江ノ島

江ノ島や西も東も潮の音 南風や橋の上まで水しぶき 江ノ島や肌に張り付く南風 夕焼に光るタイツや相模湾

立夏

点線のこちらの側に夏来たる ご町内の皆さま夏でございます 小一時間布団干したる立夏かな 近所の子総動員の子供の日 Wi-Fiは何処にありや夏の空 Tシャツを三度着替える立夏かな 月涼し靴下履いて夜更かしす

行く春

行く春や自転車すべる雨上がり 明日の夜は落下しないか春の月

連句に挑戦してみた

ここ半年くらい、ネットで知り合った人たちと文通を行っている。便箋に手書きで書いて、郵便でやりとりしているのである。何でもかんでもメールや SNS などのやりとりで済ませてしまうこの時代に、なんとも悠長なことを始めたものだと思うのだが、やってみる…

八十八夜

ジーンズの乾かぬ八十八夜かな 行く春を本読み散らしハイボール