2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

荷風忌

濹東に塔聳えけり荷風の忌 新しき靴をおろして青き踏む

春キャベツ

もう少し生きてみようか春キャベツ 生きるとは一人ではなし春キャベツ

一人静

群れて咲く一人静や夕間暮れ 一人静は、その名に反して群生する春の花です。ではこの名前の由来は? ということで、ちょっと調べてみました。 名称の由来はこの花の可憐さを愛でて静御前になぞらえたもの。近縁種のフタリシズカが花穂を2本以上出すのと対比…

春火鉢

春火鉢少しこちらへ寄りなさい

野遊び

野遊びやおまえライダーおれ怪人

うつろ舟

茨城新聞クロスアイ 春の海に降りし妙なる衣かな 春光や浜に寄せたるうつろ舟

イーグルス/ホテル・カリフォルニア

イーグルスは『呪われた夜』(1975年)あたりからリアルタイムで聴いていたバンドだけど、CD を持っていなかったので、『ホテル・カリフォルニア』(1976年)を購入。 歴史的名盤としての評価が定着しているものの、アルバム全体を通して聴いたのは初めてか…

ヒグマ脱走

痛いニュース(ノ∀`) : クマ牧場でヒグマ脱走、飼育員ら襲われ2人死亡 逃げた6頭を射殺 - ライブドアブログ 残雪や外に出るなら今のうち 春先の熊に喰はれし人ありき 雪の果が見たかっただけ羆の忌

花水木

駅前を紅く染むるや花水木 夕風にゆらりゆらりと花水木 花みずき夕闇の中消え残る

菜種梅雨

野良猫の肩寄せ合ふや菜種梅雨 菜種梅雨軒の下にも猫二匹 休診の張り紙ありき鳥曇

桜烏賊

八重桜こぼるるほどの笑顔かな 桜烏賊皿の模様の透けにけり 花烏賊やぴくりと動く足の先 昨年のミモザの道を辿りけり

目借時

月曜の朝礼長し目借時*1 *1:「蛙の目借時(かはづのめかりどき)」は春の季語。「春の暖かさは眠気を誘うが、わけても蛙の声が聞こえるころになると、うつらうつらと眠くなる。俗にカエルに目を借りられるからといい、このころの時候を蛙の目借時といった。…

青饅(あをぬた)

青饅や予報によると高気圧 花冷えやラフマニノフの変奏曲 花冷えやちくま文庫に囲まるる 道明寺じゃないほうが好きって言ったのに 造花のやうに綺麗と言はれる

啄木忌

手首までずぶりと入れて啄木忌

石川啄木 『ローマ字日記』

石川啄木(1886〜1912)の1909年4月10日の日記より。 予の心は たまらなくイライラして どうしても眠れない。予は女のまたに手を入れて、手あらく その陰部をかきまわした。 しまいには 5本の指を入れて できるだけ強くおした。女はそれでも 目をさまさぬ:…

銀座線

菜の花の色の電車やハチ公前 『痴人の愛』さくらの花をしおりにす

菜種梅雨

窓側の患者によると花曇 花の雨登校児童の並び行く 団子屋に人の少なし菜種梅雨 目の前の重き乳房や花の雨

東京は果ての果てまで花盛り 鳥鳴けど姿は見えず桜かな 振り返る人も少なし菫(すみれ)かな 揃へたる靴の中にも散る桜 花酔やほんのり紅くなりにけり 花に酔ひ言葉少なし新宿駅

レタス

花冷えや鬱陶しさも恋のうち マヨネーズを井桁に描くレタスかな 溌剌と笊に揚げたるレタスかな

虚子忌

虚子の忌や何これ棒の如きもの*1 犯行の現場にバールの如きもの 赤外線カメラに人の如きもの おーい虚子野球やろうぜ碧梧桐 虚子の忌や野球は苦手だったぞな *1:元ネタは高浜虚子の「去年今年貫く棒の如きもの」。

復活祭

復活祭花に鳥の巣飾りけり 花籠に鳥の巣飾るイースター

受難日

ゴルゴダの丘の上にも花曇 花冷えや聖画の中の主の血潮

入学式

花冷えや並んで歩くランドセル

若草

若草や瓦礫の地にも生ゆるべし

清明

清明の日差し浴びたるタイツかな

低気圧

春疾風雨がこんなに白いとは 北窓を開けば猫が二十匹 春の夜に耳塞がるや低気圧

村上春樹 『1Q84 BOOK 1』

天吾は両手で、空中にある架空の箱を支えるようなかっこうをした。とくに意味のない動作だったが、何かそういった架空のものが、感情を伝えるための仲立ちとして必要だった。 村上春樹 『1Q84 BOOK 1』 第4章 (天吾) あなたがそれを望むのであれば 『1Q84…