2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

理系と文系はもっと仲良くすべきだ

家族全員理系という男と家族全員文系という女が結婚した。 「ミシンというものは、どの家庭にもあるものだと思ってました」と奥さんは僕に言う。 一方、旦那は僕に向かって次のように語る。 「はんだごてというものは、どの家庭にもあるものだと思ってたよ」…

森まゆみがいっぱい

アマゾンのおすすめの上のほうが、先週まではアル・ヤンコビックばっかりだったのに、今週は森まゆみが並んでいる。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090628-00000081-san-soci 森まゆみといえば、下町・レトロ・女流文学である。ニュース記事には 「主…

泉鏡花 『歌行燈』

『歌行燈』 の主人公の喜多八って市川雷蔵だよなあ、と思っていたら、本当に市川雷蔵主演で映画化されていたので驚いた。歌行燈 [DVD]出版社/メーカー: 角川映画発売日: 2006/09/22メディア: DVD クリック: 22回この商品を含むブログ (18件) を見る DVD のジ…

モダンジャズ入門

書店の新書売り場には、各出版社からモダンジャズ入門書のたぐいが並んでいる。 手にとってみると、どれも似たような内容で、切り口はさまざまだけれど、同じような CD がオススメされている。似たり寄ったり、と書くと悪口に聞こえるかもしれないが、どれも…

夏目漱石クイズ

選択肢の中から、正しいものを一つ選んでくださいね。 【第1問】 『吾輩は猫である』 の主人公、吾輩が意識しているメス猫の名前は? A. タマ B. 三毛子 C. リリー【第2問】 『坊っちゃん』 の主人公が四国の中学校へ赴任したときの初任給は? A. 40円 B. 40…

潤一郎ラビリンス(7)

潤一郎ラビリンス〈7〉怪奇幻想倶楽部 (中公文庫)作者: 谷崎潤一郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1998/11/18メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る 「怪奇幻想倶楽部」 というサブタイトルがついている短編集。わくわく。

第11講 川端康成 『雪国』(2)

http://homepage2.nifty.com/akoyano/juku/top.html - 文学コース 講義ノート 講義の最中にとったノートをほぼそのまま写したものなので、文責はすべて kanimaster にあります。 純文学/大衆文学の区別は、どの国にもある。 『ドン・キホーテ』は当時流行の…

マイケル・ジャクソン

マイケル・ジャクソンの訃報を聞いた。 僕はマイケル・ジャクソンの来日公演に2度行っている。 1987年9月 後楽園球場 1988年12月 東京ドーム 1年以上間が開いているが、実は長大なワールド・ツアーの最初と最後にあたるものだということが分かったのは、2回…

三島由紀夫 『天人五衰』

この完結編はあまり評判が良くなくて、これはというレビューを読んだこともないのだけれど、僕は全4作の中で 『天人五衰』 が一番面白かった。悪人と狂人ばかりが登場して、それぞれの自意識の世界を作り上げて、最後に全部ぶっ壊す展開は最高ではないか。 …

16歳のレビュー

16歳のレビュー - BLOG STATION はてなレビュー出し

パパゲーノとパパゲーナ

モーツァルト作曲のオペラ 『魔笛』 から。 メイン・ストーリーとはあまり関係がないのに一番人気があるのが、鳥刺し男パパゲーノ。「鳥刺し」というのは森に住み、鳥を狩る人のことだが、なぜか鳥の羽だらけの服を着て、頭にはクチバシのついた帽子をかぶっ…

数え年のかぞえ方

猫猫塾でもたびたび話題にのぼる「数え年」について、簡単なまとめ。 数え年のかぞえ方 生まれた時点を「1歳」とする。 以後、元日を迎えるたびに1歳加える。 ポイント 数え年には「0歳」という考え方はない。生まれたときが1歳。 誕生日は関係ない。誕生日…

三島由紀夫 『天人五衰』

《豊穣の海》四部作の、いよいよ完結編。 『暁の寺』 はいま一つだったのだけど、いかがなものか。自意識過剰な少年が登場する冒頭は、結構面白いと思うのだが。

第10講 川端康成 『雪国』(1)

http://homepage2.nifty.com/akoyano/juku/top.html - 文学コース 講義ノート 講義の最中にとったノートをほぼそのまま写したものなので、文責はすべて kanimaster にあります。 1899(明治32)年、大阪市に生まれ、幼少時に両親が死に茨木市に移った。 黒田…

ベーム/モーツァルト 『フィガロの結婚』

モーツァルト:フィガロの結婚アーティスト: フィッシャー=ディースカウ(デートリッヒ),ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団,ヤノビッツ(グンドゥラ),マティス(エディト),フォーゲル(バーバラ),ギーゼ(マルガレーテ),トロヤノス(タティアーナ),ドル(クリスタ),ジ…

猫三歳

梅雨寒や我が手を枕に猫眠る 蟹亭主 我が家に猫が来てから、三年経ちました。家にきたときはまだ生まれたばかり(ケイの体重が280gだったんですよ!)だったので、一応この日を猫たちの誕生日として祝っています。 上の画像は、左がケイ。右がミイ。 それか…

捨吉の恋

捨吉は女学校の英語教師になる。そこで、彼と同い年の勝子という教え子に惚れてしまう。勝子はそんなに成績が良いほうではなく、どちらかといえば目立たない少女だった。捨吉は彼女に対して思いを告げることもないのだが、その目つきや態度から、同級の他の…

五勺にしとこう

学校を卒業した捨吉は、教会関係の伝手で翻訳の仕事につく。友人や良き先輩との交流も増えてきたところだ。しかし、彼の懊悩は止まらず、日々悶々としている。捨吉、二十歳のときである。 ……自分の内部(なか)に萌(きざ)して来る狂(きちがい)じみたもの…

そっくりさん

響きと怒り (上) (岩波文庫)作者: フォークナー,Faulkner,平石貴樹,新納卓也出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/01/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (29件) を見る危機アーティスト: イエス出版社/メーカー: Warner Music…

苦手な算盤

東京で書生生活を送る主人公・岸本捨吉は無事学校を卒業。主人が経営する横浜の商店の手伝いをしている。 一日の売場の勘定が始まる頃には、真勢さんをはじめ、新どん、吉どんなどの主な若手が、各自(めいめい)算盤(そろばん)を手にして帳場の左右に集っ…

川端康成 『雪国』

「こいつが一番よく君を覚えていたよ。」と、人差指だけ伸した左手の握り拳を、いきなり女の目の前に突きつけた。 川端康成 『雪国』 次回はおそらく猫猫先生が 「人差指」 の話をされると思うので、先に書いておきたいのだが、これ、中指なんじゃないの? …

第9講 田山花袋 『蒲団』(2)

http://homepage2.nifty.com/akoyano/juku/top.html - 文学コース 講義ノート 講義の最中にとったノートをほぼそのまま写したものなので、文責はすべて kanimaster にあります。 テクスト論 ジェラール・ジュネット 『物語のディスクール』 ウェイン・ブース…

先生と私

こんな夢を見た。 父が危篤で虎ノ門にある病院へ入院している。病室には家族の者が並び、私もその一人である。 看護婦が私を呼んだので廊下へ出てみると、荷物が届いているという。詰所へ行くと、アマゾンの背の低い段ボール箱が置かれてある。看護婦から肥…

島崎藤村 『桜の実の熟する時』

活字が小さくて読むのが大変。

伊坂幸太郎 『重力ピエロ』

さまざまな年代の回想場面が不連続に描かれ、いずれも意味不明のまま、あるいは中途半端なままストーリーが進行する。それらのエピソードは伏線として機能し、あとから回収される。これが 『重力ピエロ』 の基本構造だ。 一体、伏線は回収されるためにのみ存…

梅雨入り

体調がいま一つで、気分もすぐれず。こういうときは全くやる気が出ない。 携帯を機種変更したのだが、説明書を読むのが面倒でほったらかし。濁点の打ち方がわからないまま使っていたりする。あと、注文していたスキャナが届いたのだが、セットアップが面倒な…

『重力ピエロ』 200ページくらいまで

なんとも微妙な展開。200ページを過ぎたあたりで、ようやく事件らしい事件が起きる。100ページ読んでつまらなかったら止める、というのを読書方針にしているのだけど、これはいかがなものか。借り物の本じゃなかったら、とっくに止めてたはずだ。 このあと面…

ローランド・カーク

『重力ピエロ』 の中に、主人公の兄弟と入院中の父親がローランド・カークの CD を聴いて感動する場面が出てくる。 ローランド・カーク(1936〜1977)というサックス奏者は、首から何本もの楽器をぶら下げ、同時に2〜3本のサックスを吹くという奇抜なミュー…

「やっとるか。」

「ひばり。」と今も窓の外から、ここの助手さんのひとりが僕を鋭く呼ぶ。 「なんだい。」と僕は平然と答える。 「やっとるか。」 「やっとるぞ。」 「がんばれよ。」 「よし来た。」 この問答は何だかわかるか。これはこの道場の、挨拶である。助手さんと塾…

竹さん

明け方のまだ薄暗い時間、洗面所で助手(看護婦)の組長の 《竹》 がしゃがみこんで、床を拭いている。(はっきり書かれていないが、喀血した患者の血液を拭いているのだと思う。) 「竹さん、さっき、」声が咽喉(のど)にひっからまる。喘(あえ)ぎ喘ぎ言…