2009-08-21から1日間の記事一覧

遠藤周作 『海と毒薬』

《私》 と近所のガソリン・スタンドの主人(マスター)が銭湯で体を洗っている。主人の右腕のつけ根には火傷の痕がある。戦時中に中国人の迫撃砲に撃たれたのだと、彼は言う。 彼は頭にシャボンをつけて、こちらに顔をむけた。はじめて私の白い痩せた胸や細…

稲見一良 『猟犬探偵』

稲見一良 - Wikipedia 稲見一良(1931-1994)は1980年代なかばに肝臓癌に冒されてから、小説を書き始めた作家である。(それ以前は放送作家だったらしいのだが詳細不明。)彼は89年に本を出版してから94年に没するまでの短い期間に、わずか数冊の作品集を遺…