2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夏目漱石 『こころ』

漱石後期の傑作『こころ』は、1914年(大正3年)に発表された。 「上 先生と私」、「中 両親と私」、「下 先生と遺書」の三部構成だが、「下」が全体の約半分を占めており、「上」で度々語られる先生の謎めいた発言(伏線)に対して、「下」でそれらが解明さ…

夏目漱石 『行人』

修善寺の大患と後期三部作1910年(明治43年)6月、『三四郎』『それから』に続く前期3部作の3作目にあたる「門」を執筆途中に胃潰瘍で長与胃腸病院(長與胃腸病院)に入院。同年8月、療養のため門下の松根東洋城の勧めで伊豆の修善寺に出かけ転地療養する。…

夏目漱石 『彼岸過迄』

「彼岸過迄」というのは元日から始めて、彼岸過まで書く予定だから単にそう名づけたまでに過ぎない実は空しい標題(みだし)である。かねてから自分は個々の短篇を重ねた末に、その個々の短篇が相合して一長篇を構成するように仕組んだら、新聞小説として存…

『携帯彼氏』

ケータイ小説初体験 ゴールデンウィークだというのに面白そうな映画もやってないしどうしよう、と思っていたのだが、以前から気になっていたケータイ小説を読んでみることにした。携帯彼氏〈上〉作者: kagen,ハナチュー編集部出版社/メーカー: 主婦の友社発…